経理・財務系の業務に携わっていると、毎年のようになにかしらの税制改正があり、職能教育という名の自己啓発を求められたりします。
私の勤務先でも職能教育で FASS 受講を推奨され、更には昇進昇格の要件として特定のレベルを要求されるようになりました。
そんななか、どうやら今期?来期?限定で会社が受験料を負担してくれるらしい噂を聞き、モノは試し!とばかりに初心に返って勉強をしてみることにしました。
「そもそもFASSってなんだっけ?」だったので、まずそこから調べてみることにしました。
そもそも FASS ってなに?
Finance & Accounting Skill Standard の略称で、
経済産業省の「経理・財務サービス・スキルスタンダード」に準拠した、経理・財務分野における客観的な実務知識・スキルの習得度を測る検定で、2005年11月にスタートした、新しい検定試験です。
自分の実力の現状把握、成長管理や、業務分野別スキルの「強み弱み」把握できる検定となっていて、自分のスキル評価の手段として有効です。
出題範囲は「資産」「決算」「税務」「資金」の4分野で、
簿記検定とは異なり、合否判定ではなく A~E の5段階で知識やスキルを評価します。
簿記とFASSの違いって?
簿記は、日々の取引を記録し、企業の業績や財政状況を明らかにするためのスキルで、
FASSは、経理・財務分野で必要とされる実務スキルを測るものです。
経理・財務の知識を、どれだけ経理の現場で活かせるかをレベルで示し見える化したもの、といった感じでしょうか
知る人ぞ知る試験なのかも?
とりあえず テキストと問題集 の現物をいくつか比較して、わかりやすそうなものを購入しよう、と書店に行ってみました。
割と大きな書店4店舗に足を運んだのですが、、、4店舗とも「経理」「簿記」「財務」エリアのすみっこに1冊置かれているといった状況でした。
簿記検定 や FP検定 のテキスト・問題集が書棚を占領したり平積みされるなか、探すのが大変レベルということは、、、メジャーではない試験?なのかもしれないです。
4店舗ともに置いてあった書籍は これ でした。
他にも数種類 テキスト・問題集は存在するようですが、書店に在庫しているのが少ないです。。
とりあえず勉強を開始してみた
思い立ったが吉日! なので、ネットで ぽちって到着を待つより、この勢いのまま書籍を手にする方がいいと思い、巡回した4軒目の書店で「テキスト&問題集」を購入しました。
業務ローテーションにより、固定資産業務・決算業務・出納業務・原価計算業務に携わってきたので、広く浅くではあるのですが内容を認識してはいました。
担当が変わり時間が経過しているなか、改めて勉強をし直すと、「まだまだ覚えている!」「あぁそういえばそうだったなぁ、、、」等の振り返りができるのと、
資産形成などお金の勉強をしている今の自分だからこそ「なるほど!そういうことだったんだ!」「そういう意味だったんだ!」と納得することや気付きが結構ありました。
試験概要
対象者
- 経理・財務部門の定型的実務に従事されているかた
- これから経理・財務部門に従事しようとしているかた
FASS検定の出題範囲
分野 | 業 務 |
---|---|
資産分野 | 売掛債権 買掛債務 在庫 固定資産 ソフトウェア(クラウドサービス) |
決算分野 | 月次業績 単体決算 連結決算 外部開示 |
税務分野 | 税効果計算 消費税申告 法人税等申告 グループ通算制度 税務調査 電子帳簿保存法 消費税インボイス制度 |
資金分野 | 現金出納 手形 有価証券 債務保証 貸付金 借入金 社債 デリバティブ取引 外貨建取引 資金管理 |
試験概要
試験実施期間 | 【上期】5月1日~7月31日 【下期】11月1日~1月31日 |
予約受付期間 | 【上期】2月1日~7月28日 【下期】8月1日~1月28日 |
再受験規定 | 同一受験期間内で再受験はできない ・この規定に違反した場合、試験結果は無効 ・違反した場合、受験料の払い戻しは無し |
問題数 | 【FASS 試験本体】上記出題範囲から合計で100問 (四肢択一) 【オプション科目 FP&A(経営企画スキル)】20問 (四肢択一) |
試験時間 | 【FASS 試験本体】90分 【オプション科目】別途30分 (任意受験) |
試験結果 | 【FASS 試験本体】800点満点。合否ではなく総合点から5段階のレベルでスキル評価 【オプション科目】達成度合から、3段階のレベルでスキル評価 試験結果は試験終了後、試験会場で渡される |
受験方法 | 全国にある試験センターでコンピュータでの受験 |
受験料(税込み) | 一般 11,000円 / 日本CFO協会会員 8,800円 (団体申込みの場合は、受験料の割引あり) |
会社によっては、法人会員特別価格で受講できたり、社内団体受験が可能だったりするので、総務・人事部門に確認すると良いと思います。
「経済産業省 経理・財務人材育成事業 公式サイト」社内団体受験 はこちら。
試験結果の評価区分
■FASS 試験本体■
レベル | スコア | 評 価 |
---|---|---|
A | 689点~ | 経理・財務分野について、業務全体を正確に理解し、自信をもって経理・財務部門の業務を遂行できるスキルをもっている。 |
B | 641~688点 | 経理・財務分野のほとんどの業務を理解し、業務を遂行できるスキルをもっている。分野によって、知識の正確さに個人差があるものの、業務を妨げるようなことはなく、適切に対応できるスキルをもっている。 |
C | 561~640点 | 経理・財務分野について、日常の業務を行うための基本的なスキルが身についているが、自己の経験以外の業務への対応力について差が見られる。日常の業務であれば、業務を理解して、支障なく対応できるスキルをもっている。 |
D | 441~560点 | 分野によって、知識の正確性に差があり、不十分な部分が多いが、支援を受けながら、最低限の業務を行うスキルをもっている。 |
E | ~440点 | 経理・財務分野について、部分的にしか理解できていない。今後の努力を期待する。 |
■オプション科目の評価区分■
レベル | スコア | 評 価 |
---|---|---|
Green | 80%~ | FP&A分野に関する基礎知識を十分身につけています。是非、FP&A検定を受験され更なるキャリアアップを目指してください。 |
Yellow | 60~79% | FP&A分野に関する基礎知識がやや不足しています。FP&A実践講座(Eラーニング)で知識の習得に努めてください。 |
Red | ~59% | FP&A分野に関する基礎知識が不足しています。まずはFP&A実践講座(Eラーニング)第1章を受講されFP&Aとは何か全体像をつかんでください。 |
過去からの受験者データも公開されていました。
ちなみに私の勤務先では、主任・係長クラス任用はBレベル以上、部長代理・課長任用はAレベル以上が必須資格となりました。。
あとがき
勉強を開始したばかりのため、とりあえずは「テキスト」でインプットして記憶を呼び起こし、「問題集」でアウトプットをやっていこうと思います。
受験をしてみたら、その体験記も書いてみようかと思っています。
ご参考になれば嬉しいです ^-^
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